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2014.12.12(金)JPFAチャリティーサッカー2014 鹿島アントラーズ 小笠原満男選手が語る『JPFAチャリティーサッカー2014』への想い

――震災発生から3年以上が経過しましたが、改めて復興支援に対する考えを聞かせてください。

小笠原 地震があって、津波が来て、いろいろなものを失いました。それから、本当に少しずつですが復興していく中で、現状は、仮設住宅に入れたけどなかなか出られないというもどかしさを感じている時期だと思います。いまだに24万人もの方が仮設住宅などで避難生活をしていて、それだけの人が日常に戻れていません。多くの人の記憶が風化してきていますが、実は今、なかなか先が見えない難しい時期なのかなと感じています。

――現状では復興が止まりつつあるということですか?

小笠原 止まってはいないのですが、仮設住宅に移ったけど次はどこに家を建てられるのか、という状態だと思います。どうしても人の記憶は薄れていくもので、それは仕方がないことだと思います。こういうチャリティーマッチがそういうことを思い出すきっかけになってほしい。そして復興を早める力になってほしいです。

――被災された方々へ、サッカー選手としてどんなことを求められていると思いますか?

小笠原 サッカーの力で少しでも力になれるように考えています。今回の『チャリティーマッチ2014』はメディアの皆さんの力も借りて、震災を忘れてはいけないというメッセージ性の高い試合になります。前日には実際に被災地に行って、被災した子供たちとのふれあいもあるので、非常に意味のあるイベントになります。多くの選手も参加してくれるので、いいものにしたいと思っています。

――エンターテインメントとしても、真剣勝負としても楽しめる試合になりますね。

小笠原 J2、J3の選手も出場して、なかなか普段対戦しないような選手とも対戦できます。普段のJリーグとはまた違った顔ぶれで、チャリティーマッチならではのメンバー構成になるので楽しみにしてほしいですし、僕らも楽しみにしています。まずは何より、今年は被災した子供たちを多く招待できると聞いているので、そういう子供たちに「サッカー選手ってすごいな」とか「サッカーの試合って面白いな」って思ってもらえるような試合にしたいですね。

――未曾有の大震災があってから日本中の自然災害に対する視点が変わったと思いますが、小笠原選手はどう感じますか?

小笠原 JリーグではJ3までできて、ほぼ各都道府県にJリーグのチームができてきました。一方で、悲しいことに自然災害がどこで何が起こってもおかしくなくなっています。そのような自然災害は起きてほしくないですが、仮に起きてしまったら、いざとなったら助け合うのがサッカーの良さですし、サッカー選手はサッカーだけをしていればいいわけではない。普段は敵同士で対戦しますが、何かあったときは助け合えるような関係でありたいと思います。東日本大震災ではアントラーズもいろいろと支援してもらいました。(大雪被害を受けた)甲府に対してもそうですし、(大雨による土砂災害を受けた)広島にも恩を返すために僕たちでアクションを起こしました。そういうのが広がっていって、何かあったときに助け合える関係でいられたらいいなと思います。

――震災がきっかけで小笠原満男が変わったことは何かありますか?

小笠原 やっぱり人のために何かをしたいって思うようになりました。自分の利益どうこうではなくて、困っている人に手を差し伸べたいというか。なかなか個人ではやれることは限られますが、おかげさまで選手会を始め、日本サッカー協会やJリーグに協力いただいて、震災復興のためにこうやってもらえるのは非常にありがたいことですし、そのために僕も精一杯プレーして、ふれあい活動もしたいと思います。

――最後に今回のチャリティーサッカーはファン・サポーターの力も必要です。ファン・サポーターに向けてメッセージをお願いします。

小笠原 ぜひ、スタジアムを満員にしてもらいたいです。僕らのこういう活動を知ってもらって、サッカー選手ってこれだけ震災に対しての思いを持っているんだというのを感じてもらって、当日はできるだけ足を運んでほしいですね。被災地に出向いて、やっぱり現状を知ってほしいと思います。あとは、試合当日選手も一生懸命に頑張りますので、ファン・サポーターの方にもぜひ試合を盛り上げてもらいたいです。今回で4度目になりますが、サポーターの応援がないのが、個人的にはちょっと寂しいと思っています。できれば多くの方に来ていただいて、試合の雰囲気を盛り上げてもらえたらうれしいです。いろいろなチームの選手も出るし、いろいろなファン・サポーターが一同に集まって交流の場にしてもらえるといいですね。そのように試合を盛り上げてほしいし、プラスで被災地の現状を見てもらえれば何よりも嬉しいです。そういう意味でも協力をお願いします。

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