2014.12.10(水)JPFAチャリティーサッカー2014 名古屋グランパス 小川佳純選手が語る『JPFAチャリティーサッカー2014』への想い
――震災から3年半経ちましたが、復興支援に対して小川選手は改めてどのようにお考えですか?
小川 震災があった年から毎年、チームでも被災地訪問という形でサッカー教室を行いました。行かないと分からないこともたくさんあります。時間が経つにつれて意識が薄れがちですけど、昨年もチャリティーマッチの前日にふれあい活動をやったりして、そうやって行くことでまた思い出してもらうきっかけにもなる。こうやって毎年活動し続けていくのが大事なことだと考えています。チャリティーマッチには昨年初めて参加したのですが、さらに続けていきたいという気持ちになりました。無事に今年もこうやって開催することができるのは良かったと思います。
――今年も小川選手は参加するのですか?
小川 そうですね。名古屋からも何人か候補がいますが、自分も選手会で活動していますし、何か特別な理由がない限りは参加したいと思っています。そして、いろいろな選手に参加してほしい、出てほしいとも思います。選手会の活動をやらせてもらって、こうやって携わっていますけど、本当にいろいろな選手にそういう意識を持ってほしいですね。
――サッカー選手としてできる復興支援があると思いますが、どんなことできる、したいと考えていますか?
小川 自分たちが被災地に行ったからといって、今の被災した方々の生活を劇的に変えられるかといったらそういうわけではありません。それでも、少しでも震災での辛い思いというのを癒すことができればいいと思っています。僕らが行ってできることはサッカーを一緒にやったり、プレーを見てもらったり、そういうところです。試合やふれあい活動の間は震災のことは忘れて一緒にサッカーを通じて楽しんでもらう。少しでも笑顔になってもらう、元気を与えるような部分と、僕らサッカー選手たちが被災地のことを考えているっていうことを被災地の方々に届けたいです。子供も大人も含めてみんなに、サッカー選手はみんな被災地のことを思っているというのを伝えて、心強く感じてくれればそれでいいかなと思います。
――チャリティーマッチではどんなプレーをしたいですか?
小川 昨年も出て思ったんですが、僕らが楽しんでサッカーをやっているのを見て、ファン・サポーターみんなにも楽しんでもらいたいです。もちろん、チャンスがあればゴールも決めたい! とにかく、みんなでいいプレーを見せて楽しんでもらえればいいかなと思います。
――小川選手は現在、選手会の副会長ですが、JPFAの会員として今後取り組んでいきたいことなどはありますか?
小川 まずは続けてやっていくことが一番大事。あとはもっともっとたくさんのお客さんをスタジアムに集めたいです。昨年の観客数は1万人ぐらいだったと思うのですが、スタジアムを満員にできるようなそういう努力をしていきたいなと思いますね。自分もこうやって選手会に関わっていなければここまでこの活動に対して思い入れがなかったかもしれないので、チームメイトを始め他の選手にもしっかり協力を求め、一緒にやれるようにしていきたいなと思います。
――実際にスタジアムに行けない人は、ジャストギビングやチャリティーオークションといった形で参加することもできます。
小川 寄付という形でも被災地に何かしたいと考えてくださる人はたくさんいると思うので、そのきっかけになればいいと思います。あと昨年、実現しなかったのですが、東北に来られない人のためにパブリックビューイングをするという案も出ました。例えばグランパスだったら、名古屋でチャリティーマッチの中継を見て、その前後にグランパスから誰か選手を呼んでトークショーみたいなことをやるという企画です。チャリティーマッチは仙台でやりますけど、開催するその日は全国で、サッカー界の被災地に対する思いを風化させない、忘れない、そういう一日になるようにやっていきたいと思っています。
――“忘れない”ことが本当に大切なことですね。
小川 そうですね。何年も経つと意識が薄れてしまいます。この活動が、僕ら自身もそうですし、世の中の人へのいいきっかけになればうれしいですね。