2012.12.11(火)JPFAチャリティーサッカー2014 FC東京 武藤嘉紀選手が語る『JPFAチャリティーサッカー2014』への想い
――震災の当日、武藤選手はどのような状況だったのでしょうか?
武藤 マンションの4階にある友人の家にいました。最初はただ“地震だ”という感じでしたが、そんなに強いとは思っていなくて。そうしたら徐々に強くなってきて、これはヤバいなと思いました。
――震災から3年半経ちましたが、支援活動に対する考え方は変わってきましたか?
武藤 当時は、復興支援に携わっている実感はありませんでした。被災地に行ってボランティアとかもできませんでしたし、行動に移すことができなかったので。そういう面で、今回サッカーを通じて『チャリティーサッカー2014』に参加できることになって、自分がしっかりと復興支援に携われるという気持ちになると思うので、そこはサッカー選手で良かったなと思います。
――4年連続でJリーガーが子供のなりたい職業1位ということですが、だからこそ求められることなど思うところはありますか?
武藤 やはり、自分も幼いときにプロサッカー選手とふれあって憧れましたし、本当にカッコいいなと感じたことを覚えています。子供たちとコミュニケーションをとってあげたいですし、夢を与えられるように、サッカーでしっかりとプレーで見せていきたいですね。
――チャリティーマッチでは、どういうプレーを出していきたいですか?
武藤 きっと子供たちは、自分が日本代表で出ていてスピードであったりドリブルがうまい選手と期待して見てくれていると思うので、そういうプレーを見せてあげたいです。それに、生で見てくれることが一番うれしいですからね。テレビ越しで見るのとスタジアムで見る迫力というのはまた違うと思うので、生で見るサッカー選手のすごさを子供たちに見せてあげたいと思っています。
――震災後に、大学で被災地に洋服を贈ったそうですが、ご自身でお考えになったのですか?
武藤 そうですね。大学の友人たちと被災地に何か寄付しようということになり、洋服が流されたということを聞いたので、みんなで段ボールに詰めて贈りました。当時は大学の授業やサッカーの練習もあって、被災地に直接足を運ぶことができませんでした。そうなると、何かしらできないかとなったときに、洋服とかそういうものが一番被災地の方々のためになると思いました。部活をやっていない友達はボランティアに行っていて、その友達からもボランティアに行こうと誘われていたのですが、みんなが行っている中で自分だけ行かないということは、本当に申し訳なかったですよね。だから、できることをしようと洋服を贈りました。
――ボランティアで被災地に行った友達から、現地の話を聞いてみていかがでしたか?
武藤 もう、本当に想像を絶する光景だったと言っていました。瓦礫の山だったということです。実際に自分の眼で確かめないといけないなと思っていたのですが、なかなか行く機会がありませんでした。今回そういう機会ができたので、今の状況と地震当時の状況とはちょっと違うかもしれませんが、復興へ向けての現状を目に焼き付けたいと思っています。
――今後、支援活動を続けるにあたって、どういう取り組みが必要だと考えますか?
武藤 自分としては、サッカー選手なので、サッカーを通して定期的に子供たちとふれあう機会を設けたいと思います。
――今回の『チャリティーサッカー2014』はファンやサポーターの力が非常に大切になると思います。最後にファン・サポーターへメッセージをお願いします。
武藤 多くの方に見ていただきたいです。とにかく自分たちは、被災地の方々に勇気や元気を与えられるように頑張るので、ぜひスタジアムへ足を運んで見に来ていただければうれしいですね。