社会貢献活動

2020.02.05(水)チャリティーサッカー2019 ふれあい活動“グリーティングDAY” in 熊本(2日目)

2日目の1月6日(月)、選手たちは8時半前に会場入り。前日に続いてJFAインストラクターによる講義のあと、指導実践を行うプログラムです。

参加したのは、樋口寛規(福島)、坂田良太(栃木)、塩田仁史(大宮)、馬渡洋樹(川崎F)、鄭大世(清水)、森下俊(磐田)、八田直樹(磐田)、宮崎智彦(磐田)、山本康裕(磐田)、阿渡真也(藤枝)、横山知伸(岐阜)、澤上竜二(C大阪)、中山開帆(北九州)、福森健太(北九州)、野口航(北九州)、島川俊郎(大分)の16名(括弧内、所属チームは当時)。


講義ではまず、定期的に行う指導者ライセンスのリフレッシュ研修について、各種大会におけるTSGのレポートをもとに改訂、アップデートされるJFAの施策をキャッチアップすることで、現役選手としてもサッカーに対する見方をブラッシュアップでき、指導者側のスタンスも知ることができる点が紹介されました。そのほかにも、若いうちからセカンドキャリアのビジョンを描いて準備できることや、所属クラブの違う選手同士が集うことで、将来にわたって有効な人脈作りの面でもプラスになるなど、複数のメリットがあります。


その後、JFA全国U-12サッカー大会、日本クラブユースサッカー選手権(U-15)、FIFA U-20ワールドカップ ポーランド2019などの映像を見ながら、育成年代でも守備の連動やテクニック、ゴールに向かう意識が高まり、勝利を目指す姿勢がいっそう強まっていることを確認。そのためにも、周囲の状況をよく観て、判断を共有し、そして正確な技術で実行することが大切で、その後の指導実践でもそうした点にフォーカスするよう意識づけされていました。


指導実践では、前日のペアでサブだった選手がメインのコーチとなって中学生たちを指導。最初のセッションではアイスブレイクも兼ねたウォーミングアップを取り入れて中学生の身体と気持ちをほぐし、少しずつ要求を高めながら、テンポよくメニューを展開していきます。2日目とあって、メイン役とサブ役の選手同士のペアも意思疎通が深まり、オーガナイズの準備や中学生への声かけでも良いコンビネーションが見られました。

 

「年の初めにトップレベルの選手たちの技術を目の当たりにでき、他校の生徒たちとも交流できるため、子どもたちにとっても貴重な機会になっています」と、昨年に続いてサッカー部員たちを引率した益城町立木山中学校の岩田聡先生。今回が初参加となった熊本市立出水南中学校の長浦卓也先生は、「生徒たちの意識向上やスキルアップだけでなく、私たちにとっても、指導にあたっての言葉の選び方などが大変勉強になります」とのこと。


昨年のふれあい活動でもJリーガーの指導を受けた益城町立木山中学校2年の弓陽翔君は、「去年参加して学んだことが、部活動で生かせました。今回もプロの選手たちと実際に会って、ドリブルでの相手との駆け引きなど自分たちにできない技術を教えてもらったので、練習や試合で生かしたいです」と話していました。


こうして、4回目となった熊本での2日間の取り組みは終了。熊本地震から3年半が経ち徐々に復興は進んでいますが、昨年起きた千葉や長野などでの台風被害など、いつどこで大きな災害が起きるかわからない日本。そうした社会の中で、プロサッカー選手が果たせる役割は決して大きくはないかもしれません。しかし一方、被災地を訪れて交流するだけでも、子どもたちや地域の人たちにとって小さくない励みとなっていることも、間違いありません。


【参加選手コメント】

◆塩田仁史(大宮)
「熊本には試合でも来ていますし、高校3年生の時の国体でも民泊を経験したので、思い出深い場所です。地震があって大変だった熊本にこうした形で来ることができて、感慨深いです。選手会だけではなくて、熊本県サッカー協会の方々など、いろんな人の協力で、復興支援として地域の子どもたちと一緒にサッカーを通して交流できる機会を設けてもらえたことは、すごくありがたいです。熊本の子どもたちは普段、ロアッソ熊本の選手たちも見ていると思いますが、いろんなクラブの選手と接することができる機会なので、子どもたちにも、僕たちにとっても、お互いにいい経験になると思います。リフレッシュ研修を兼ねているので、楽しくサッカーをするというよりもしっかり学ぼうという比重が多く、僕らも研修の中で学びますが、真剣にサッカーをやるからこその楽しさも学んでほしいし、その中で自分の技術が向上したり、成長できることも楽しんでもらいたいので、1つでも2つでも伝わればと思います。参加しているのは現役の選手なので指導者としては未熟かもしれませんが、現役選手としての観点で見ることができる部分もあります。そういったところを子どもたちにも伝えられたらと思います」


◆坂田良太(栃木)
「指導者ライセンスの向上やセカンドキャリアを考えた講習会で、年末に岡山でも企画されていましたが、復興支援も兼ねているため、地元である熊本の子どもたちにサッカーを通して元気や勇気を与えられたらという気持ちで参加しました。4年前に熊本で初めて行われたふれあい活動にも「子どもたちを元気にしたい」という思いで参加しましたが、逆に僕たちが元気をもらい、苦しい中でも立ち直ろうとしている姿を感じました。今回も中学生のみんなは伸び伸び、楽しそうにやってくれているので、僕らと接してサッカーをもっと好きになってもらったり、プロの選手を見て「こういう人がいるんだ」と知ってもらえればと思います。昨シーズンで引退し、この春から教員になる予定です。大きな怪我も含めた自分の経験を活かせるのは何かと考えた時に、サッカーを通して人として成長してもらう、その手助けをすることが使命だと考えて、教員になることを決めました。昨日と今日で人に伝える難しさを痛感しましたが、思っていることを正確に言葉にできるようにすることが子どもたちの成長にもつながると思うので、僕ももっと学んでいきたいと思います」


◆山本康裕(磐田)
「東北の震災の後はチームで岩手県に行かせていただきました。その後、熊本や広島などで開催されていたふれあい活動にはなかなか参加できませんでしたが、今回、熊本に来て、子どもたちの元気な姿を見ることができてすごく嬉しかったです。指導する立場としてはまだまだ分からないことばかりで、どう接していいか不透明な部分もあり、指導実践はちょっと難しかったなというのが率直な感想です。熊本に来るのは初めてですが、地震が起きた当時はニュース映像を見て被害の大きさを知り、何か力になれればと思っていました。子どもたちにとっても、こういう機会は少ないと思いますが、教えてもらうだけではなく、プロ選手と触れ合うことでいろんなことを感じてもらえたらと思うし、中学生が元気にプレーする姿を見ることができて、よかったと思います」


◆中山開帆(北九州)
「復興支援やふれあい活動に参加するのは初めてです。リフレッシュ研修の側面もありましたが、復興支援活動や現地の子どもたちと触れ合う機会がなかったので、やってみたいという気持ちがありました。みんな楽しそうにやってくれて嬉しかったです。いつもは指導を受ける側なので、指導する側の難しさをつくづく感じました。これだけの人数を相手に指導すると、どうしても目の行き届かないところもあるので、もっとうまくやらないといけないと思いました。新しい情報をインプットしたり、他チームの選手と交流できたり、いろんなチームの話を聞き、選手同士での会話を通じて刺激を受けるとてもいい機会なので、もっとこういう取り組みが増えてもいいのではないかと思います。地元が福岡で、中学生の頃から熊本には試合でよく来ていました。地震の後、3年前に熊本に家族旅行に来たことがあります。阿蘇の神社や熊本城も被害が大きく、通れない道があったりして、被害の大きさを感じましたが、少しずつでも復興は進んでいるなと感じました」


◆島川俊郎(大分)
「仙台在籍時にチームとして参加したことはありましたが、こうして個人でふれあい活動に参加したのは初めてです。指導力がなく、中学生たちには迷惑をかけたかなと思いますが、シーズン中は子どもたちに指導することはなかなかないので、こうした機会を作ってもらい、いい経験をさせてもらえたことに感謝しています。講義や中学生の指導を通じて見方が変わるというか、自分がプレーする時以上に深く見なければいけないので、それが自分に置き換えられることもあると思います。僕は知っている選手ばかりでしたが、初めて会う選手同士が顔馴染みになれるのもいいと思います。充実した2日間になりました」


◆八田直樹(磐田)
「今回参加した選手もいつかは現役をやめる時がきますし、半分以上の人がサッカーに携わると思います。選手会として、そこをサポートしてくれている取り組みで、こういう場を与えていただいているのはとてもありがたいです。シーズンオフの期間ですが、参加した選手たちと話をすることで、今シーズンにかける思いが変わってきたりもしますし、講義での映像を見て、「やっぱりサッカーは楽しいんだな、自分ももっと上手くなりたいな」と改めて思いますね。被災地に来るのも自分の力だけではどうにもできないことで、「サッカー選手って、こういうこともやってるんだよ」と、プロサッカー選手の仕事を伝えられるのも、いいことだと思います。地元の三重県伊勢市で8年くらい、サッカー教室を開いていますが、僕たちが来ることで子どもたちが喜んでくれたり、地域の方や保護者の方がサッカーに興味を持ってくれるだけでも将来につながると思います。自分の価値や経験を今後につなげていくためにも、プロサッカー選手として少しでも何かできるのであれば、これからも協力したいと思います」


◆樋口寛規(福島)
「チームでもずっとサッカー教室をやっていて、こういう活動は大事だと感じていますし、オフシーズンにセカンドキャリアのことも考えるいい機会になると思います。講義を通しては指導者目線での見方を知ることができて、自分たちの選手としての成長にもつながる。熊本の地震は最近のことではないですけど、被害にあった子もいたかもしれないので、そういう子も含めて、僕らができるサッカーを通して、何かを伝えて残せればいいかなと思います」


◆野口航(北九州)
「選手会の活動に参加するのは初めてです。大分出身で九州には愛着があるので、今回、高校時代を過ごしてお世話になった熊本に来られたのは良かったです。もともと教える立場にも興味があり、大学時代は学生コーチとして地域の少年団を指導していました。地震が起きた当時は大学生で、特別なことは何もできませんでしたが、大人になってこういう形で関わることができ、中学生を対象に自分で考えたメニューを指導できて良かったです。試合でプレーするだけがプロではないと思いますし、ピッチ内外で影響を与えられるようになりたいと思います。講義の映像で、若い世代の選手たちのレベルが上がっていることを確認できたので、うかうかしていられないという印象も受けました。今回はJ1の選手やキャリアのある選手が多く参加していて、同じ空間で同じ時間を過ごしたことも勉強になりました」

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