社会貢献活動

2020.02.03(月)チャリティーサッカー2019 ふれあい活動“グリーティングDAY” in 熊本(1日目)

1月5日(日)、6日(月)の2日間、一般社団法人日本プロサッカー選手会(JPFA)が主催する「チャリティサッカー2019 ふれあい活動“グリーティングDAY” in 熊本」が、熊本市に隣接する嘉島町総合運動公園多目的競技場で開催されました。

選手会のふれあい活動が熊本で開催されるのは4回目で、JFAのB級、C級公認指導者ライセンスのリフレッシュ研修を兼ねた内容。選手たちはJFAインストラクターによる講義や各種年代の国内大会、国際大会のダイジェスト映像を通じてコーチングの考えを確認するとともに、中学生を対象とした指導実践にも取り組み、新シーズンに向けて気持ちを新たにするだけでなく、セカンドキャリアへのイメージを膨らませました。

参加したのは、樋口寛規(福島)、坂田良太(栃木)、塩田仁史(大宮)、馬渡洋樹(川崎F)、鄭大世(清水)、森下俊(磐田)、八田直樹(磐田)、宮崎智彦(磐田)、山本康裕(磐田)、阿渡真也(藤枝)、横山知伸(岐阜)、澤上竜二(C大阪)、中山開帆(北九州)、福森健太(北九州)、野口航(北九州)、島川俊郎(大分)の16名(括弧内、所属チームは当時)。


初日の5日、鉄道や空路で熊本入りした選手たちは、13時ごろにバスで嘉島町総合運動公園に到着。着替えを済ませた後、14時過ぎから講義を受けます。すでに取得しているB級、C級ライセンスのプログラムで受講した内容を振り返りながら、「自立した選手を育てるために、指導者もクリエイティブでなければならない」という考え方をおさらい。狙いを持ったオーガナイズによってプレーする選手たちの考えや判断を導き出すこと、ティーチングとコーチングのバランス、プレー回数を確保し、インテンシティも含めた漸進性のある構成にすることで、トレーニングにストーリーを持たせることの有効性などを確認しました。


その後は2名ずつ8組のペアを作り、それぞれが受け持つ「シュート」「ボールを奪う」「ドリブル」「観る」「ポゼッション」「ゴールを目指す」「守備のテクニック」といったテーマに沿ったオーガナイズや内容になっているかディスカッション。


16時ごろから、4つの学校から集まった約40名の中学生たちを対象に、各ペアでメインとサブのコーチ役を務め、それぞれ指導を行いました。

初めのうちは様子を見ているだけだった選手たちも、声をかけながら上手くできた場面を褒めたり、流れをいったん止めるフリーズコーチングの後で現役プロ選手ならではのデモンストレーションを披露したりと、中学生たちにとっても実践につながる内容になっていきます。
 
 

熊本市立出水南中学校2年の井下奨真君は、「鄭大世選手に指導を受けたシュートのメニューで、しっかりゴールを見てシュートを打つことや、相手DFが寄せて来た時に空いているサイドを使うように言われたことが勉強になりました。初めて一緒にプレーする他校の生徒もいて、コミュニケーションで難しい面もありましたが、実際にプロ選手と接してみて体の大きさやパスの正確さ、パススピードなどを感じることができたので、この経験を他の部員にも伝えたい」と話していました。

 

初日は8つのセッションを行って18時前に終了。指導の難しさを感じながらも、元気な中学生たちの姿に選手たちも満足げでした。

【参加選手コメント】

◆阿渡真也(藤枝)
「子どもたちに教える機会はありますが、ふれあい活動に参加して、熊本に来てこうして接するのは初めてです。今回いろんな選手が参加しているので、この2日間で少しずつコミュニケーションが取れればと思っています。十分な指導ができたかはわかりませんが、サッカーを通して子どもたちと触れ合うことで、僕自身も昔のことを思い出したり、新しいシーズンに向けてまた頑張ろうという気持ちにもなり、本当に貴重な体験をさせていただいて、ありがたいと思っています。自分たちにできることはサッカーで通じ合うこと、一緒にサッカーをして楽しむことだと思うので、試合の勝ち負けもそうですけど、見に来てくれる人たちが熱くなれる試合を、これからもやっていけたらと思います」


◆横山知伸(岐阜)
「川崎Fにいた頃、東日本大震災の復興支援に参加したことはありましたが、チームの枠を越えた活動に参加するのは初めてです。チーム単位で復興支援に関わる行動を起こすのはなかなか簡単ではないと思うんですが、選手会のこうした活動で、各々で被災地を訪問できるのはいいことだと思います。自分たちはあまり経験できない指導の勉強ができますし、中学生の子どもたちはプロの選手と触れ合える、いい取り組みだと思います。自分も小学校、中学校時代に東京Vの練習を見に行ったりしていたので、中学生たちにとっても記憶に残ると思います。2018年は熊本に在籍していましたし、病気になった昨年は、いろいろと心配してくれる方もいたので、そういう方たちに会いに来ることができたのも、自分としてはいい機会だと思います。サッカーをしているところを見せるのがいちばんかもしれませんが、こうして生きていることを伝えられたらと思います」


◆宮崎智彦(磐田)
「こうやってサッカーをやらせてもらって、被災された方たちの復興に向けて、少しでも僕たちのパワーが足しになってくれたらと思い参加しました。こういう形での取り組みは、僕たちにとっても学ぶこと、感じることが多いです。熊本は、ジュビロがJ2だった時に試合で来て以来、4年ぶりです。地震の影響はあまり感じないくらい街も綺麗に見えましたが、まだまだメンタルの部分での影響はあると思います。僕たちの力は微々たるものかもしれないですけど、サッカーで盛り上げて、それでみんなが笑顔になってくれたらと思いますし、何かできることがあれば、これからも続けていきたいと思います」



◆森下俊(磐田)
「チームでこうした活動に参加する機会はありましたが、個人ではあまりありませんでした。間近で触れ合って、子どもたちが少しでも元気になってくれたらと思います。中学生たちはみんな元気で、たぶん、あまり表に出せないのかなとは思いますが、内に秘めたものがあるように感じました。少し声をかければみんな積極的にトライしてくれましたし、話も聞いてくれて、素直な子たちだなと思いました。少しでも僕たちがみんなにパワーを与えられるなら、これからもいろんな活動に参加していきたいと思います」


◆鄭大世(清水)
「サッカー選手としてサッカーが上手いだけではダメだと僕は思っていて、人間ができていないと人から尊敬されないと考えた時に、大事なのは社会貢献だと思います。復興支援もそのひとつで、僕たちが関わることで多くの人を笑顔にできる。それが、サッカー選手として生きている意味じゃないかと思います。サッカー選手になれたのは自分だけの力ではないからこそ、人のためになったり、社会に貢献したりすることが大事だと思っています。サッカーが上手いだけではなくて、人間性もあって社会貢献もできる、そうして初めて、偉大な選手になれる。そういう意味でも、こうした復興支援に関わることは大事だと思います。自分ひとりでは何をすればいいか分からない場合もあるので、『誰かのために生きたい』『社会貢献したい』という選手の思いを、選手会がアシストしてくれていると感じます。初めて会う子たちに自分のオーガナイズで教えるのはすごく難しいんですけど、自分が彼らの年代の時に何を目指していたかを思い出して、童心に帰ることができました。自分はパトリック・クライファートという絶対的なスターを目指して練習してきて、こだわってきたシュートについて教えられるということは『人生2周目なんだな』と思うし(笑)、実際に直に接してみると、『今まで培ってきたもの全てを伝えたいな』という気持ちにもなりますね。試合以外で九州に来ることはなかなかないので、復興支援の一環で熊本の子どもたちと接することができるという面でも、選手会のありがたみを感じます。彼らも家に帰ってYouTubeで僕のプレー動画を見てくれると思うので、そういう光を与えたいですね」


◆馬渡洋樹(川崎F)
「熊本で被災された方々に元気を与えられるように、こういう機会は大事だと思います。チームとしての地域貢献活動も多いので、できるだけ参加するようにはしています。自分は福岡出身で、中学、高校、大学時代を通じて熊本にはよく来ていました。地震が起きた2016年は鹿屋体育大学に在学中で、物資の仕分けなどで復興支援活動の手伝いに来たりもしましたが、その時も子どもたちは元気でした。今もまだ復興が進んでいないところもあるかと思いますが、そういうところでも復興が進んでいけばと思います。今回参加してくれた子どもたちも元気な表情をしていて良かったですし、自分たちも元気になれました」


◆福森健太(北九州)
「指導は大学の時に少し経験しましたが、今回久しぶりに取り組んで、もっと勉強しないといけないと感じました。選手会としては、チャリティーオークションなどいろんな取り組みをしていて、今回のふれあい活動もそのうちのひとつだと思いますが、熊本には試合でしか来たことがなかったので、自分にとってもいい経験になりました。中学生たちに僕たちのことを知ってもらい、また新しいつながりができればと思いますし、この先も継続して、いろんな取り組みができたらいいなと思います。中学生たちも最初は緊張していたのかなと思いましたが、みんな上手いので、一緒にサッカーができてよかったです」


◆澤上竜二(C大阪)
「チームでは、J2時代に熊本との試合の翌日に復興支援活動をしたことがありましたが、個人で参加するのは初めてです。大阪ではスクールをやったりしていますが、こうして地方に来て活動することは少ないので、そういう意味ではいい機会だと思います。いつものサッカー教室はみんなで楽しくゲームをやるような感じですが、今回はリフレッシュ研修ということでテーマを設けた練習だったので、いつもよりも伝えられることが多くあったと思います。セレッソのスクールの場合は、自分のことを知ってくれている子も多いんですが、熊本の子どもたちは自分のことを知らない子もいると思うので、自分がもっと活躍して、子どもたちがもっと喜んでくれるような選手になって、また来たいと思います」

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