社会貢献活動

2016.01.22(金)チャリティーサッカー2015 ふれあい活動“グリーティングDAY” in 宮城(1日目)

2015年12月19日(土)、仙台市立折立中学校(午前の部)、登米市総合運動場(午後の部)にて『チャリティーサッカー2015 ふれあい活動“グリーティングDAY”』が行われました。こちらのふれあい活動には、山岸範宏選手(山形)、大原卓丈選手(福島)、富山貴光選手(大宮)、兵藤慎剛選手(横浜FM)、冨田大介選手(徳島)、コーチとして高田保則さん、井手口純さん、島田裕介さんの8名が参加しました。


JR仙台駅に集合した一行がバスで向かったのは、午前の部の開催場所である仙台市立折立中学校。開始前、宮城県サッカー協会理事長を務めた経歴もある田中亨校長が「このあたりの津波被害はありませんでしたが、地震の揺れでこの上の土地にある小学校が使えなくなり、3年ほどこの校内に仮設校舎を建てていました」と被害状況を説明すると、選手・OBは真剣に耳を傾けていました。

参加したのは仙台市内の折立中、西多賀中、南吉成中の3校から集まった中学生50人。日が差すものの時折小雪がチラつく中、ウォーミングアップに選ばれたメニューは鬼ごっこでした。つかまえられたら鬼と手をつなぎ、鬼の人数は3人、4人とどんどん増えていきます。すでにシーズンオフに入っている現役選手の中には、子どもたちに追いかけられながら「きつい」と漏らす人もいました。

鬼ごっこでぐっと心の距離を縮めた選手・OBと子どもたちはその後、井手口さんの元気のいい、ハキハキとした声の指導でボール回し、そして8チームに分かれてのゲームへと進んでいきました。ゲームでは1チームに一人ずつ選手・OBが入りました。島田さんの本気のドリブルを見た対戦相手の高田さんが「左足に気をつけろ!」とコーチングし、元チームメートらしいやり取りも見られました。

最後は選手・OBチームに8チームが順番にチャレンジしていくゲーム形式が行われました。選手・OBチームの自陣ゴール付近を守っていた山岸選手がコーナーキックの場面で敵陣まで上がり、島田さんの蹴るボールにヘディングで合わせた時には場内がざわつきました。昨年のJ1昇格プレーオフ準決勝の劇的ゴールを彷彿とさせる場面でしたが、シュートは枠外へ。山岸選手は「ボールは良かったですが、自分の感触が良くなかったです」と苦笑いでした。

子どもたちと記念の集合写真を撮影した後、再びバスに乗り込んだ一行は北へ2時間、午後の部の会場となる宮城県北部の登米市東和総合運動公園に到着しました。丘の中腹にあるこのグラウンドは震災で崩落し、使用できなくなっていましたが、今年4月に人工芝の多目的グラウンドとして生まれ変わりました。まだ新しい人工芝の緑色が午後の日差しを反射してまぶしく見えました。

指導者講習の実技も兼ねた午後の部では、JFA復興支援特任コーチとして活動している手倉森浩さんが、気仙沼市にある宮城県本吉響高校の23人を指導しました。基本的なパス・アンド・コントロールからスタートし、パターンのバリエーションを徐々に変えながら、蹴りやすい位置にボールを置くことやしっかり周りを見て情報を得るなど、難易度を上げていきました。

最後は選手・OB・指導者チームvs高校生チームで12対12の10分間のゲームが行われました。高校生たちは先ほど行ったばかりのパス・アンド・コントロールで意識したことを実戦形式の中でトライしていました。

今回のふれあい活動に参加した選手・OBは、震災直後から被災地で支援活動を、継続的に行ってきた人たちがほとんどで、構え過ぎず、自然に子どもたちと向き合う姿が印象的でした。


【ふれあい活動後の選手・OBコメント】
●山岸範宏選手(山形)
「他チームの選手とはこうして話す時間はなかなかないので、他の選手とのつながりも大切になるし、貴重な時間だなと思います。自分で実際に中学生や高校生とやることによって、普段自分がサッカーをやっている時に気づかないことも気づいたりするので、有意義な時間になりました。子どもたちは、みんな元気がいいですね。子どもたちのエネルギーに僕たちが助けられている部分はあると思います。選手である以上、ピッチの上でサッカーをやることもそうですが、震災で大変な思いをした子どもたちに夢を与えることというのは大事なことだと思うので、一人でも多くの子どもに『プロになりたい』と思われるような接し方をしていきたいです」

●大原卓丈選手(福島)
「震災時にはグルージャ盛岡にいました。水道、電気は止まりましたし、当日はとても寒かったので皆たいへんな思いをしていました。電気が復旧してもガソリンがなかったことも大変でした。1週間後にチームで瓦礫の片付けなど復興支援活動を行いましたが、そこで津波被害の光景も実際に目にしました。実家の福島は内陸なので津波被害はありませんでしたが、ライフラインが止まって大変だったと聞いています。あの年はリーグ戦の開幕も遅れましたし、サッカーをやっていいのかという気持ちもありましたが、岩手にいた時も福島にいる時も、地域のために、逆に僕たちがスポーツで盛り上げようという思いでプレーしていました。まだ心に傷を負っている子どもたちもたくさんいます。こうした活動を続けて一人でも多くの子どもたちの心の傷を癒せればと思います」

●富山貴光選手(大宮)
「子どもたちと楽しくサッカーをやることはもちろんですが、子どもたちが夢を持てるようなきっかけを与えられるようなことが少しでもできればと思います。僕は高校の時にベガルタ仙台に特別指定選手としてお世話になっていたので、仙台は親しみのある街でしたし、その地が被災したということで何かできることはないかといつも考えています。復興支援活動を通じて少しでも被災地のお役に立てたらと思います」

●兵藤慎剛選手(横浜FM)
「東日本大震災が起きてから、毎年、横浜F・マリノスの選手全員で、東松島市でサッカー教室を開催しています。今日は初めての場所でしたが、みんな元気があって、楽しそうにサッカーをしてくれたので僕も楽しかったです。シーズン中はプレッシャーでサッカーを楽しみきれない部分もありますが、今日はサッカー小僧に戻り、子どもたちの笑顔も見ることができ『サッカーっていいな』とあらためて感じました」

●冨田大介選手(徳島)
「子どもたちが楽しそうにサッカーをしている姿を見ると、自分たちも何かしなきゃいけないなという気持ちになります。震災の年は、ヴァンフォーレ甲府でプレーしていましたが、2013年に水戸ホーリーホックに移籍し、建物が震災時のままになっていたり、地面が舗装されていなかったりと被害の大きさを目の当たりにしました。時間の経過とともに支援をしようという気持ちが少しずつ薄れていくという部分が怖いことでもあります。僕たちプロサッカー選手が継続して活動し、情報を発信していくことで支援にもつながると思います」

●高田保則さん(OB)
「現役の選手たちに出会って、刺激になればと思います。短い時間だったので伝えられることは少なかったかもしれませんが、この出会いが刺激になって、『もっとサッカー頑張ろう』、『もっとサッカーを好きになろう』と思う子どもが一人でも、二人で増えたらうれしく思います」

●井手口純さん(OB)
「私は震災1年目からいろんな場所で活動させていただいているのですが、子どもたちには、サッカーをしに来て少しでも被災したことを忘れられる時間を作ることが大切なことだと思い、子どもたちと接しています。技術云々というよりも、子どもたちの中で『今日は楽しかったね』という会話にしてもらえればいいのかなと思っています」

●島田裕介さん(OB)
「プロの選手から本気でボールを取ってやろうというところも見えたので、非常にうれしかったです。プロの選手にも挑戦していくような気持ちをこれからも持ち続ければ、Jリーガーになり、さらに上にもいけるのではないかと思いました。子どもたちとの出会いを大切にし、自分も一生懸命プレーし、これからもサッカーの楽しさを伝えて行けたらと思います」

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