2011.06.05(日)「ふれあいサッカーキャラバン」会津坂下町立坂下小学校
そんな避難校で行われたサッカー教室で印象的だったのが、サッカー教室終了後に選手たちから送られた「プロの選手を目指して頑張ってほしい」といった言葉であった。「Jリーガーが来る。プロのプレーが体感できる」という高揚感は、児童たちだけに伝わるものでもない。「Jリーガーに会えることを凄く楽しみにしていました。これを機会にもっとサッカーに打ち込んでもらえれば(4年生男子児童保護者)」「今日のサッカー教室を通じて、もっとサッカーを好きになってほしい。ずっと続けてほしい(6年生男子児童保護者)」といったように、児童たちの高揚感は大人たちの「未来への期待」となって伝わっている。
プロを目指してほしいといった選手の言葉は、サッカー教室終了後、五十嵐校長が「皆が一つになるというスポーツの持っている凄さを改めて感じています」と話したように、このサッカー教室を通してスポーツの魅力を感じ、プロサッカー選手を目指す児童たちが増えることを願っているからこそのメッセージだったように思う。被災したからプロを目指せないわけじゃない。「やっぱプロは違う。本気の試合ができてよかった。将来はプロサッカー選手になりたいって改めて思いました(りょうた・5年生)」子供たちの想いは、選手にもしっかりと伝わっている。「子供たちの笑顔のために我々ができること。大人が出来ることは何なのかをこれからも考えていかなければいけません。それがどんな形にせよ、我々が子供たちを支えていくことが大事なんだということを改めて感じました。このサッカー教室を通じて、子供たちは『多くの人たちに支えられている』ことを実感したと思います。それを大人が共有し、子供たちに話していけるということが、色んな意味で被災から立ち直っていく地域の活力になってくれることを期待したい(坂下小・鈴木教頭)」
被災地の宮城県出身である丹野選手は言う。「一緒にサッカーができたことが何よりもよかった。これからも大変なことがあると思いますが、子供たちの元気と笑顔で福島を盛り上げてほしい」と。また、平野コーチは「少しでも復興の役にてるよう、サッカー選手として何ができるのかを常に考えながら、子供たちに伝えていきたい」と、サッカー教室終了後に話している。
つまりは、そういうことだ。小さなことでもいい。何ができるのかを一人ひとりが考えていくことが大事なのだ。それは被災地だけの話でもなければ、大人だけの話でもない。
「何かしてあげたい」と思って自分たちに会いに来てくれた選手たちの願いを感じ、「次は自分も何かをするんだ」と子供たちが感じとってくれること。そんな復興への笑顔のリレーを生み出す期待感が、このキャラバンにはある。復興への笑顔のリレーが、子供たち発のリレーが被災地の中で広がることを、信じている。
> トリッキーな技を見せる村田選手 | ドリブルで抜き去る井上選手 |
福田選手は子供たちと手をつなぎだるまさんが転んだ! | 子供たちにエールを送る丹野選手! |
名称 | ふれあいサッカーキャラバン"サッカーの力で日本を元気に!" |
主催 | 一般社団法人 日本プロサッカー選手会 |
支援活動パートナー | ジブラルタ生命保険株式会社 ゼビオ株式会社 |
協力 | 会津坂下町立坂下小学校 |
開催日時 | 2011年6月5日(日)13時15分~ |
コーチ(OB) | 平野孝(日本プロサッカー選手会 執行役員) |
現役選手(4名) | 井上平(東京ヴェルディ) 福田健介(東京ヴェルディ) 丹野研太(セレッソ大阪) 村田和哉(セレッソ大阪) |
支援活動パートナー