社会貢献活動

2014.12.26(金)チャリティーサッカー2014 ふれあい活動“グリーティングDAY”in仙台


2014年12月13日(土)、仙台市立沖野小学校にて、『JPFAチャリティーサッカー2014 ふれあい活動“グリーディングDAY”』が開催されました。会場となった小学校には同地区で活動するサッカーチームの少年・少女たち約120名が集合。途中から冷たい雪が舞いましたが、子どもたちは寒さに負けることなく、最後まで元気いっぱいにサッカーを楽しんでいました。

この会場に参加したのは、柳沢敦選手、赤嶺真吾選手、佐々木勇人選手(以上仙台)、中田浩二選手、遠藤康選手(以上鹿島)、扇原貴宏選手(C大阪)、橋本英郎選手、森岡亮太選手(以上神戸)、林彰洋選手(鳥栖)、松下年宏選手、高丘陽平選手(横浜FC)、山本大貴選手(松本)、廣永遼太郎選手(富山)、金森健志選手(福岡)、寺岡真弘選手(北九州)、石川慧選手(秋田)、柴村直弥選手(OKSストミール・オルシュティン/ポーランド)の17名。そして、コーチとして進行役を務めたのは元日本代表の平野孝さんと元仙台の萩原達郎さんでした。

平野さんの「いろいろな選手がみんなに会いに来ています。とにかく楽しく、選手たちとたくさん触れ合ってください!」という言葉とともにイベントはスタート。子どもたちと選手たちが一緒になってグラウンドに飛び出して行きました。

ウォーミングアップはいずれも趣向を凝らしたもので、選手とコミュニケーションを取りながら体を温めます。特に盛り上がっていたのはジャンケンをしながらランニングをするというメニュー。多角形の角に選手が立って、子どもたちはジャンケンで勝たないと次には進めず、負けたら一つ戻らないといけないというルール。選手たちも真剣にジャンケンをして勝ったら大喜びのパフォーマンスで盛り上げていました。

体が温まった後はミニゲームへ。9チームに分かれ、各チームに2人ずつ選手が加わって行われました。グラウンドでは、コーチ兼選手として加わった選手たちの指示の下、勝利を目指して激しい火花が散ります。そして最後は選手たちが選抜した10人の子どもたちvs選手10人での試合が実施されました。選手たちは相手が子どもだろうと手加減はしません。華麗なテクニックを見せて、ゴールを襲います。そして、ゴールを決めると全員で抱き合って大喜び。しかし喜びすぎるあまりキックオフに間に合わず、子どもたちの速攻を食らって失点する場面も。子どもたちの抜け目なさが光りました。

シーソーゲームで迎えた終盤、主審を務めた平野さんから「最後に1点取ったチームが勝ち!」とゴールデンゴール形式で勝負を決めることが宣言されると、一気に試合は緊張感に満ちた展開へ。そしてトドメを刺したのは選手チームでした。流れるようなパスワークで守備を崩してゴール前に走り込んだ森岡亮太選手がヒールキックでシュート! 選手たちが抱き合って喜んでいたところ、外で見ていた子どもたちも輪に加わり、グラウンドには大きな歓喜の輪ができ、笑顔で埋め尽くされました。

最後に全選手のサインが書かれた色紙が子どもたちにプレゼントされて、イベントは終了。子どもたちは本当に楽しんだようで、参加した小学3年生の男子は「選手たちはカッコ良かったし、上手だった。一緒にプレーできて本当に良かった。将来プロになりたいと思いました」と目を輝かせながら感想を語っていました。

その後、選手たちは河北新報社へ移動して「被災地の新聞社からのメッセージ」という講義を受けました。震災当時取材にあたっていた記者の大泉大介さんから当時の状況や報道の役割について話を聞き、そして「選手たちにお願いしたいこと」が伝えられました。

「ファン・サポーターあってのプロスポーツであり、安全安心な生活の上に興行が成り立っていることを忘れないでください。人々の暮らしを支えるのもプロ選手の使命だと思います。また、こうした活動を今後も継続しながら、地元で防災の取り組みを伝えてください。みなさんの役割は大きいと思っています。『サッカーの力で日本を元気に!』を体現してください」という大泉さんの言葉で締めくくられました。

≪ふれあい活動後の選手コメント≫
◆柳沢敦選手(仙台)
「僕は仙台に移籍した時に東日本大震災にあって、皆さんがどれだけ苦労しているのかを感じてきました。それからこういう活動を行っているのですが、サッカーを通じて子どもたちや被災地の皆さんに元気を与えたいと思ってやってきました。今日は子どもたちがすごく元気で、いい時間を過ごせたなと思っています。ただ、実際にはまだ復興がなかなか進んでいないとも聞いています。こういう活動を継続することが大事だと思いますし、全選手がそういう気持ちを持って参加してもらいたいと思います。今後も続けていけるように、皆さんの協力の下で頑張っていきたいと思っています」

◆赤嶺真吾選手(仙台)
「子どもたちが喜んでいる姿を見て、すごくやりがいを感じました。自分たちも楽しむことができました。また機会があれば参加したいと強く思いました。チャリティーサッカーは今回で4回目、震災が忘れられないようにと、各クラブの選手たちがこうやって仙台に来てくれることにすごく感謝しています。いいイベントだと思いますし、続けることに意義があると思っています」

◆佐々木勇人選手(仙台)
「今日は寒かったのですが、子どもたちが元気で良かったです。チャリティーサッカーは今回で4回目になりましたが、続けることに意義があります。最近、風化が進んでいるように思うことがあるので、僕たちがこういう活動をして、多くの人が震災のことをもう一度考える機会にしていきたい。今日は子どもたちが喜んでくれたことが一番で、僕らもうれしかった。これからも続けていかないといけないし、やっていきたいと思います」

◆中田浩二選手(鹿島)
「僕は年に1回、小笠原満男選手が行っている『東北人魂』の活動に参加させていただいて、岩手や宮城を回ったことがあるのですが、毎回子どもたちの笑顔が見られるので、僕が勇気をもらっています。選手会のふれあい活動に参加するのは今回が初めてだったのですが、子どもたちが楽しんでくれて良かったなと思います。とにかく震災の記憶が風化しないように、できる限り力になりたい。僕らができることは限られているかもしれませんが、みんなで大きな力に変えていきたいと思います」

◆遠藤康選手(鹿島)
「寒かったですね(苦笑)。でも寒い中、たくさんの子どもたちが来てくれて、楽しんでもらえたので良かったなと思います。僕は仙台市出身なのですが、地元も大きな被害を受けましたし、苦しんでいる人もたくさんいます。なので、こうして活動を続けることが大事だと思います。震災か3年半以上経って、『もう大丈夫だろう』と思っている人も少なくありません。まだまだ支援が必要なんだということを、この活動を通してうったえていきたいと思います。風化させないようにしたいです」

◆扇原貴宏選手(C大阪)
「僕自身、被災地には試合のためにしか来たことがなくて、実際に被災した様子を見るのは初めてでした。これまでテレビや新聞でしか見たことがなかったので、現地を自分の目で見たり、当時の写真を見たりして、まず自分たちがこういうことを忘れてはいけないと思いましたし、自分たちはパワーを与えられる存在だと思うので、震災が起きたことを忘れずにこれからも活動していきたいなと思いました。大阪では被害はなかったので、現地の方々と気持ちの面で隔たりがあるかなと不安がありました。でも、実際に来てふれあって、本当につらい思いをしたんだなということが伝わってきました。それでも子どもたちはすごく明るかったですし、元気でしたね。今回の活動を通して、もっともっと元気になってもらえればいいなと思います」

◆橋本英郎選手(神戸)
「子どもたちとふれあっている時は普通のサッカー教室みたいな感じだったのですが、その後に河北新報社に行って、当時の記事や写真、映像を見て、つらいところを越えて今の笑顔につながっているんだなということを感じました。あれだけの状況下で生活して、それから3年半以上ですからね。今日参加した子どもたちはもちろん、周囲の大人も大変だったと思う。そこを乗り越えてきている方々に少しでも元気を与えることができれば、この活動はすごく意味のあることだと思います。これまで東北には試合のためにしか来たことがなかったので、被災地を見たことはありませんでした。今回も写真で見るだけでしたが、実際に体験した人から話を聞くことができて良かったと思います。僕らにできることをやってほしいというアプローチもあったので、常に頭に入れながら活動していきたいと思っています。やっぱり続けることが大事。風化させないために頑張っていきたいと思います。これから震災のことをあまり知らずにプロになる世代が増えていく。そういう選手たちに伝えていくことも大事だと思います」

◆森岡亮太選手(神戸)
「仙台の町はだいぶ復興しているのですが、河北新報社で東日本大震災当時の写真や記事を見せていただいて、すごく大きな被害があったんだなと改めて実感することができました。そこから3年半以上の間、多くの支援もありましたし、被災地の方々の頑張りもあった上で今があるんだなと感じました。子どもたちはみんな元気でしたし、すごく楽しかったです」

◆林彰洋選手(鳥栖)
「子どもたちとのふれあい活動では、本当に楽しんでもらいたいという思いが一番にあった。まず僕自身が楽しまないと子どもたちも楽しめないと思い、全力で楽しむことを意識しました。子どもたちもプロの選手と一緒にサッカーできることを喜んでいる感じがあったので、そういう意味で良かったのかなと思います。東日本大震災が起きた時、僕は海外にいました。自分の母国にそういうことが起きて、とにかく不安でいっぱいでした。数カ月後に日本に帰ってきた時、被災地だけでなく、東京も節電などで町が暗かった。その異様な光景に驚かされました。今日、東北に来て当時の実態を聞きましたが、僕らは体験していないから体験した人の気持ちをわかってあげられないかもしれない。でも、少しでも気持ちを汲んで、支援の輪を広げていくことが最も重要なことだと思いました。河北新報社の記者さんの話にもありましたが、記事を書き続けたから、こうやっていろいろな人に伝えることができているにも関わらず、アンケートで『新聞が役に立った』と答えた被災者が全体の3割だったという話を聞いて、当時は本当に難しい判断が求められていたんだなということを知ることができました。こういう活動は続けていくべきだと思います。輪を広げていくことによって、日本としての一体感を生むと思う。どんな局面でも乗り越えられる状況を作れるんじゃないかなと思います」

◆松下年宏選手(横浜FC)
「僕自身、仙台で震災を経験しました。今年は仙台を離れて生活しているのですが、普通に生活できていること自体がすごくありがたいことなんだと改めて感じることができました。震災後、仙台で3年ほど生活して、徐々に復興してきたとは思っていましたけど、まだまだ復興しきれていないところやケアをしないといけないことがある。そういうところがすごく大事だと思っています。だからこそ、こういう活動を継続していく意味があるなと感じましたね。これから先も僕ら選手がやれることはあると思います。少しでも力になれればいいと思っています」

◆高丘陽平選手(横浜FC)
「子どもたちから元気をもらいました。僕が何を与えられたかはわかりませんが、この経験を自分のサッカーに生かしていきたいと思います。子どもたち一人ひとりの笑顔がすごく輝いていたので、そういう部分は自分のパワーに変えていきたいと思います」

◆山本大貴選手(松本)
「子どもたちが元気にサッカーをしてくれたので、僕たちも楽しかった。子どもたちに楽しんでもらいたかったので、積極的に話しかけることを意識しました。子どもたちからエネルギーをもらったので、これを来年につなげていきたい」

◆廣永遼太郎選手(富山)
「子どもたちの心の傷がどこまで癒えているのかわかりませんが、一緒にサッカーをしていて楽しそうだったのが印象的でした。それだけでも意味があるのかなと思いました。今年6月に選手会の活動で東北に来たのですが、僕が行った場所は荒れ地のままでしたし道路にヒビが入っていた。そういう現状がテレビなどで報道される機会も少なくなってきた。でも、そういうことは決して忘れてはいけないこと。僕たちは継続して活動し続けないといけない。被災地はまだ復興していないし、まだまだこれからなんだよということを発信していきたい」

◆金森健志選手(福岡)
「遠くにいるとなかなか情報が入ってこないので、実際自分の目で被災地の状況を見たいと思って来ました。実際に被災地に行き、体験した人の話を聞いて、いろいろ知ることができました。子どもたちと接するのは楽しかったですね。ふれあう時間は少なかったのですが、ちょっとでも楽しんでもらえるために積極的に話しかけるようにしました。一人でも多くの子どもが『将来、サッカー選手になりたい』と思ってくれたらいいなと思いながら接しました」

◆寺岡真弘選手(北九州)
「子どもたちと一緒にサッカーできたことも楽しかったですし、普段会うことのない選手たちと一緒に活動できて、短いけれど有意義な時間を過ごすことができました。来てよかったと思います。仙台空港に下りた時、震災のきずあとがまだ生々しく残っていてショックを受けました。ニュースでは見たことがあったのですが、やっぱり実際に見てみると胸が痛みますね。3年以上経ってもまだ復興できていないというのは驚きでした。その中でも子どもたちが明るくて良かったなと。パワーをもらいました」

◆石川慧選手(秋田)
「僕自身プロ1年目に仙台で震災を経験しましたが、今は普通に生活できるようになっている。いろいろなことに感謝しないといけないということを、この活動を通して実感しました。微力ですが、僕も協力して東北のために頑張らないといけないと感じました。今年からJ3も参加できるようになったので、秋田の代表としてもアピールしたいと思います。一番は東北復興ですが、少しでもこういう活動が実を結べばいいなと思います。小さなことかもしれませんが、いつかは大きな力になると思っていますし、そう信じて取り組むことが大事だと思います」

◆柴村直弥選手(OKSストミール・オルシュティン/ポーランド)
「子どもたちがすごく元気いっぱいだったという印象です。途中から雪が降って寒くなってきたのですが、子どもたちのテンションは落ちず、最後まで元気いっぱいだった。それはすごく印象的でした。僕はポーランドでプレーしているので、向こうはもっと寒いんですけどね。先週は日中でもマイナス7度でした(笑)。僕は3年連続参加させてもらっているのですが、海外にいると、なかなか復興の力になることは難しい。なので、日本に帰ってきた時に活動に参加できればと思って、毎年参加するようにしています。震災が起きた時、僕はトルコでキャンプをしていたんです。チームメイトだけでなく、トルコの人たちからも『日本は大丈夫か?』と心配されました。その言葉に勇気をもらいましたが、日本がそういう状況になっているのに、自分がサッカーをしていいのかという気持ちにもなりました。その後、なかなか帰国できず、力になれないことが悔しかった。だから日本に帰ってきた時はなるべく活動に参加するようにしています。ポーランドの人たちはいまだに『日本は大丈夫か?』と気にしてくれています。なので、僕が日本で見たことを彼らに伝えたいと思っています。年に1回ですし、小さなことかもしれない。でも、できることをやっていくことが大事だと思います。今日接した子どもたちに元気になってもらえればいいなと思っています」

※選手の所属クラブは、チャリティーサッカー参加発表時点のものです

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